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あしあと

    結神社にまつわる照手姫(てるてひめ)伝説

    • [公開日:2023年3月24日]
    • [更新日:2023年3月24日]
    • ID:1575

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    てるて姫と小栗判官(縁結びのものがたり)


    安八町の北部に「結神社」と「町屋観音堂」があります。その伝説のお話です。

    三河国へ敗走する小栗判官

     室町時代、常陸国(ひたちのくに)結城(ゆうき)城主小栗係五郎は、鎌倉への謀反の嫌疑を受けて攻められ、激戦の末、城は落城し、三河国へ敗走しました。その子「小栗判官(おぐりはんがん)」は、落城前に再起を期し密かに家来を引き連れ、城を脱出し三河国をめざしました。

    てるて姫と小栗判官の出会い

     その途中、相模国(さがみのくに)郡代である横山将監(よこやましょうげん)の館に身を寄せました。彼には娘がおり、「てるて姫」と呼ばれ、絶世の美女です。文武に秀でた小栗判官と瞬く間に相思相愛の仲になりました。

     これを知った横山は激怒し判官たちを館から追放します。やむなく館を出て再び三河国をめざし、相州権現堂(そうしゅうごんげんどう)まで来た時、夕暮れになり宿を求めました。

    小栗判官の毒殺計画

     その宿は盗賊どもの巣窟で、賊の首領は「よい獲物だ」と遊女をたくさん集めてお酌をさせ、猛毒を酒に入れて毒殺しようと企みます。

     一方の「てるて姫」は判官恋しさあまり、許しも得ず横山の館を飛び出し、追いかけました。権現堂近くまで来た時、盗賊の手下にかどわかされ、宿で酌婦(しゃくふ)を強いられます。

     偶然にも、判官の滞在と毒殺計画を漏れ聞き、てるて姫は伝えようとしますが、時すでに遅く家臣は毒入りの酒をのんでしまい、亡くなります。毒殺計画を聞き知った判官も、もてなしに断りきれず口に含んでしまいました。

    餓鬼阿弥の姿となった小栗判官

     酔った素振りで、そっと席を離れ、桜の古木につながれた荒馬に飛び乗り、藤沢山遊行寺(とうたくさんゆぎょうじ)へ駆け込み助けを求めます。

     判官は口に含んだ毒酒の害が出て、目も見えず、耳も聞こえず、口も利けない餓鬼阿弥(がきあみ)の醜い姿になってしまいました。

    熊野の湯をめざす小栗判官

     その夜、閻魔法王より遊行寺の大空(たいくう)上人に「常陸小栗判官は熊野の湯の峰へ入湯させれば全快するだろう」とお告げがあります。上人は土車を用意させ、判官を乗せ「一引けば千僧供養(せんぞうくよう)、二引けば万蔵供養(まんぞうくよう)、藤沢の上人」と胸に書き添え、寺僧をつけて熊野へ旅立たせます。

    流浪の旅に出るてるて姫

     一方、てるて姫は、盗賊の家を逃げ出しました。しかし、武蔵国の金沢で追手につかまり、侍従(じじゅう)川へ放り込まれてしまいます。てるて姫は、ただ一心に観世音を念じました。不思議な事に六浦(むつうら)の千光寺(せんこうじ)の観世音が光を現わし、その危機をお救いになりました。その時、ほど近い野島崎で、この奇跡を見ていた漁師は大変ありがたく感じ、てるて姫を救い上げて家に連れて帰ります。ところがこの漁師の妻は嫉妬深く、てるて姫の美しい姿を見てひどく妬み、日夜いじめました。彼女は、意を決し家を出て流浪の旅に出ます。

    結大明神へ祈願するてるて姫

     てるて姫があちらこなた小栗判官を慕い歩き、美濃の国「結」までやって来たところで、大切に抱いていた一寸八分の黄金の守り本尊のお告げがあり、この地に留まり結大明神(結神社)に7日間、小栗判官との再会を祈願しました。

     その満願の日に、結大明神が照手姫の枕元に立って、「守り本尊の指図に従いよく祈願した。それで、姫の願を叶えてやりたいのだが、姫が持っている黄金の守り本尊は、我に縁のある尊像であるから、この結大明神に納めてくれれば、姫の願いを叶えてやろう」と告げて去られました。てるて姫はなつかしい小栗判官に再会できるのであればと願望が成就することを喜び、名残惜しくも本尊を結大明神に納めました。

     その後、明神より村民に「この本尊は当地に有縁の本尊なれば観音の頂に上がらせて諸人に拝ませしめよ。永くこの地に止まりて衆生結縁し給うべし」とお告げがありました。

     守り本尊であった黄金仏は、近くの町屋観音堂の十一面観世音菩薩の頂に今も幾久しく納められています。

    身売りされたてるて姫

     てるて姫は、願望成就することを喜び、小栗判官を訪ねるため、「結」の地を旅立ちました。しかし、途中、中山道の加納にさしかかった時、悪者にだまされ、青墓の宿、萬屋(よろずや)に身売りされ「常陸小萩(ひたちこはぎ)」の名で水仕女(みずしめ)として苦役に耐えることになりました。

    常陸小萩と餓鬼阿弥としての再会

     一方、餓鬼阿弥の姿になり土車に乗せられ熊野へ旅立った小栗判官。道中では上人様の功徳をいただこうと、人々は村から村へ土車を引きました。

     青墓の宿、萬屋に着いたとき、常陸小萩は餓鬼阿弥が判官とも知らず、宿のあるじの許しを得て大津の関寺まで5日間車を引き、胸札に自分の名前を書き添えて青墓へ帰りました。

    全快した小栗判官

     土車は相模国を出て444日で熊野湯の峰に着きました。熊野権現のご加護と湯の峰の壺湯の効力で小栗判官は、日に日に快方に向かい49日目には元の姿になり、親族の待つ三河国に帰りました。

    てるて姫と小栗判官の再会

     そして京都の将軍の側近である親族から、鎌倉幕府への謀反の嫌疑は、濡れ衣であることが判明し、旧領地が戻されました。その後、判官は、三河国より青墓の萬屋に常陸小萩を訪ね、てるて姫と再会を喜び合います。そして、二人は常陸国に戻って幸せな生涯を送りました。


    このような伝説にあって今もなお、縁結びの地として結神社と町屋観音堂は多くの人から信仰されています。

    (「安八てるて姫物語」より)

    結神社の写真1

      てるて姫が小栗判官との再会を祈った結神社

    町屋観音堂の写真2

      十一面観世音菩薩が納められている町屋観音堂

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